「日本一のあんずの里」長野県千曲市で花の絶景とあんずグルメを楽しみ尽くす!

 

ひと目で多くのあんずの花が見渡せることから「一目十万本」といわれ、開花時期の3月下旬~4月上旬には約10万人もの花見客が訪れる長野県千曲(ちくま)市。あんずの実の生産量も全国トップクラスを誇り、多くの魅力的なグルメや商品に生まれ変わっています。今回は、そんな「日本一のあんずの里」の魅力をご紹介します。

article_art002884_2

お姫様も愛した一面の薄桃色のあんずの花畑

あんずの生産量が全国トップクラスの長野県。栽培面積は日本一を誇りますが(農林水産省「平成27年特産果樹生産動態等調査」)、その6割を占める一大産地が千曲市です。その中でも特に水はけがよい森地区と倉科地区は、「あんずの里」とよばれ、標高380~450mのなだらかな傾斜地の一面にあんず畑が広がります。2013年4月には今上天皇皇后両陛下が「初めての私的な旅行」でご訪問されたことでも、その名が知られるようになりました。
article_art002884_3
▲「上平(うわだいら)展望台」や「窪山展望公園」まで行くと、開花シーズンの天気のよい日は美しい北アルプス、戸隠連峰の山々の残雪と青空、薄紅色の花のコントラストが楽しめます(©信州千曲観光局)

千曲市にあんずが伝わったのは、江戸時代前期の元禄時代。伊予宇和島藩主・伊達宗利公の息女・豊姫が第三代松代藩主・真田幸道公に輿入れした際、故郷をしのんで持ち込んだあんずの苗が原型といわれています。

article_art002884_4
▲千曲市キャラクター・あん姫ちゃんは豊姫がモチーフ(©信州千曲観光局)

毎年、開花時期には、あんずの花を愛でる「あんずまつり」を開催。春の訪れが遅い信州で桜よりもひと足早く花が咲くこともあり、期間中は約10万人もの花見客が訪れます。2019年の「第64回あんずまつり」は3月30日(土)~4月14日(日)の開催を予定しています。

article_art002884_5
▲一面の花畑を撮影に訪れるカメラマンも少なくありません(©信州千曲観光局)

また、「あんずまつり」の期間中には、地元有志による「花さかフェスタ」も開催。2015年からスタートし、2019年は節目となる5回目の開催です。
あんずの花の酵母を使って開発中のコッペパンを振る舞う試食会や、剪定されたあんずの枝を使ってハンカチやスカーフを染める染め物体験など、ほぼ毎日さまざまなイベントを開催予定です。

article_art002884_6
▲「花さかフェスタ」は上平展望台花さか村広場をメイン会場に開催されます

あんずスイーツや加工品がずらりと並ぶ「あんずの里」

花の絶景を楽しんだ後は、あんずを使ったグルメも味わいたくなりますよね。あんず栽培と加工を手がけて50余年となる横島物産のショップ「あんずの里のあんずショップ」では、「あんずまつり」の時期を含め通年であんず商品を購入することができます。
article_art002884_7
▲横島物産の工場横にある「あんずの里のあんずショップ」
article_art002884_8
▲店内にはさまざまな加工品がずらり

店内には、種付きのまま丸ごと漬け込んだ「杏シロップ漬」(1,280円・税込)をはじめ、一つひとつ丁寧に種を取ってふっくら天日干しした「天日干しあんず」(1,188円・税込)、もぎたての完熟あんずから作った「杏じゃむ」(756円・税込)など、昔ながらの加工品から新商品まで多彩なあんず商品が並びます。

article_art002884_9
▲「杏シロップ漬」(写真奥)は、まるで杏仁豆腐を食べているかのような濃厚な味わい!ちなみに「杏仁」とはあんずの種のこと

横島物産の取締役で、2004年から本格的に商品企画を手がけている商品開発コーディネーターの横嶋孝子さんは、昔ながらの加工品を創意工夫によって別の形に変えることで、より幅広い年齢層が楽しめるお土産にしているそうです。

article_art002884_10
▲千曲市森地区で生まれ育った経験と豊富なアイデアでさまざまな新商品を生み出している横嶋さん
article_art002884_11
▲こちらは昔ながらの「天日干しあんず」をベースにハーブをブレンドした、香料・着色料不使用の無添加のフルーツ紅茶「杏紅茶」(594円・税込)
article_art002884_12
▲あんず特有の甘酸っぱさをアクセントにしたスイーツも多数。「あんずの里チーズケーキ」(2,268円・税込)はあんずジャムをかけるとより味わい深く!

ちなみに、「花さかフェスタ」を発案したのも横嶋さんです。高齢化や後継者不足に伴い、農家の減少や切られてしまうあんずの木を目の当たりにした横嶋さん。まずは地元住民が楽しめるイベントをきっかけに、あんずの木がある風景を次世代につなぎたいとの思いから、地元の友人や企業、ボランティア団体などに協力を呼びかけスタートを切りました。

article_art002884_13
▲花さかフェスタのチラシを手に、「これからもあんずの里の未来のために、できることをひとつずつやっていきたい」と話す横嶋さん

「花さかフェスタ」の時期には、上平展望台に期間限定ショップ「花さか村売店」を開き、定番人気の「あんずソフト」のほか、フロートやワッフルなどの限定メニューも販売する予定です。

article_art002884_14
▲さっぱりした味わいが人気の「あんずソフト」(350円・税込)。「あんずの里のあんずショップ」では通年販売しています
article_art002884_15
▲あんずジャムがアクセントになった「あんずワッフル」(350円・税込)は「花さかフェスタ」期間限定の販売

ちなみに、2019年の目玉商品は「あんずソフト」を使ったコッペパン。片手で食べ歩きながら花見を楽しんでみては。

article_art002884_16
▲なんと取材日に完成したソフトクリーム入りコッペパン(350円・税込)。リーゼントのようなソフトクリームの形(?)もポイントだそう。ソフトクリームの下に潜んだホイップクリームと手作りのあんずのジャムが隠し味に
article_art002884_17
▲初夏のごく短い期間にしか収穫ができないあんず

旬の時期が短い上に梅雨と重なるあんずは、収穫が大変なのだそう。一時期は地区内でも収穫体験をしていた農家がいくつもありましたが、対応の苦労が絶えなかったことから、現在は横島物産も含めて2軒の生産者しか実施していない貴重なものとなってしまいました。

article_art002884_18
▲あんずの栽培と食品加工、販売のほかに、お花見の「あんずまつり」と収穫体験も行っていることから、横嶋さんは「観光型6次産業」と名付けて広めています

そんなあんずの収穫ポイントを横嶋さんに伺ったところ「落ちるくらい熟したものがおいしい」とのこと。特にハーコットという生食用の品種はマンゴーにも負けないほどの甘さなのだとか!あんずと聞くと、ドライフルーツやシロップ漬けなどの加工品を思い浮かべがちですが、実は生でも食べるんです。

article_art002884_19
▲こちらがハーコット。果皮が薄く糖度の高い、生食用の代表的な品種(©信州千曲観光局)

花の時期だけでなく、収穫期もおすすめの「あんずの里」。貴重な生のあんずは収穫だけでなく、購入することもできます。それもまた収穫期ならではの楽しみですね。

  • 横島アプリコットファームであんず狩り!もぎ取り1キロのお土産と生アンズの試食付きプラン
  • 横島アプリコットファームであんず狩り!もぎ取り1キロのお土産と生アンズの試食付きプラン
  • 横島アプリコットファームであんず狩り!もぎ取り1キロのお土産と生アンズの試食付きプラン

【オレンジの宝物】もぎたての甘酸っぱい旬のあんずの香りと、フレッシュな生アンズの味を楽しもう!

約60分