あんず栽培を手がけて55余年。自社農園で多品種のあんずを低農薬栽培しています。あんずは、旬の時期が短く生果での流通は希少です。また、旬の時期のおいしさを逃さずに多品種の商品に加工して全国に販売しています。
「あんずの里のあんずショップ」は、生あんず・加工品の販売と観光農園のご案内をし、次世代へ繋がるよう活動しています。
愛媛、伊達宗利公の息女、豊姫が第三代目松代藩主であった長野県、真田幸道公に輿入れした際に故郷を忘れないようにと持ち込んだ苗が起源といわれています。その後、松代藩主があんず栽培を推奨し気候風土の最適な千曲市森地区があんずの里として栄えました。
あんずはバラ科の樹で、梅や桃、スモモなどと遺伝的に近縁にあたります。原産地はネパールから、中国の山東、山西、河北地方の山岳地帯と言われています。中国では「唐桃」と呼ばれ紀元前3000年頃にはすでに薬用として栽培されていたそうです。
特 徴
あんずは小粒の黄桃といった感じで桃とよく似ています。大きさは梅程の物からスモモくらいで、果皮の表面は産毛は無く、色は黄色から橙で日光に当たっていたところが赤みを帯びています。
品種
「平和」「信山丸」「ハーコット」「信州大実」「昭和」「信月」「さつき」などがあり、杏仁種子の中の白い仁は杏仁(きょうにん)と呼ばれ、古くから薬用として使用されています。種で作られた「アマレット」というイタリアのリキュールも有名。
生産地
日本ではりんごの産地と分布が一致しており、冷涼な気候の長野、東北、北陸地方などで栽培されています。青森県と長野県で全国の約98%を生産しています。生あんずは収穫されてすぐに出荷されます。
選び方
あんずを選びは十分に熟し濃い橙色になっている物を選んでください。そして、表面に傷や、柔らかくなってしまった部分などが無いか確かめましょう。手に持った時に実が締まっていて、皮に張りがあり、しっかりと香りが立っている物を選んでください。既に実が柔らかくなっているものは避けます。
保 存
あんずは日持ちしないので、なるべく早く食べるようにしてください。保存は、乾燥しないようラップに包み冷蔵庫に入れてください。皮をむいて種を取り除き、ピューレにして冷凍しておく事もできます。
お召し上がり方
桃のように熟すと縫合線にそって種までくるっと一周ナイフを入れ、上下をひねると容易に2つに割ることが出来ます。固めの物は溝に沿ってナイフを入れ、種をよけながら半分に切って種をくりぬき、その後皮をむきます。
◆生食向けの品種であれば、生のまま食べてももちろん美味しいです。
◆タルトやケーキなどのトッピングなどによく合います。
◆ピューレも色味共に安定していて、ムースやソース、シャーベットなどいろいろな使い道があります。
あんずの栄養素
■βーカロテン…あんずにはベータカロテンが群を抜いて多く含まれています。中でも発ガンを抑制する作用の強いβ‐クリプトキサンチンも含んでいます。
■有機酸…あんずはクエン酸、リンゴ酸といった有機酸を多く含み、胃腸の働きを良くして殺菌作用などの効果があります。また、乳酸を減して、疲れを取り除き、肩こり、腰痛の防止にも効果があります。
効果に期待
■糖質消化酵素のグルコシアターゼの働きをアンズが強く阻害し、糖質が消化吸収されるのを抑制するので糖尿病患者の血糖値調整に効果があると期待されています。
■チョコレートで有名になったアミノ酸の一種のギャバですが、あんずの果肉にも含まれており、脳の血行を良くする作用が知られていますので、脳動脈硬化症Iこよるボケの予防の効果も十分に期待されています。
■干しアンズは体を温める性質があり、毎日少しずつ食べると冷え性が改善されるそうです。また、内臓の機能低下や腫れを抑えたり、喉の渇きや切れにくい痰にも良いとされています。